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お月見を終えて、リビングでもう少しだけ飲んでから、二人はいつもの元栓確認をして、勇士郎の部屋に向かった。
勇士郎が壁際になり、温人が勇士郎を後ろから抱く形で横になる。薄いブランケットを腹の上に被せて、重なったスプーンのようになった。
「あの…、せ、狭ない?」
「大丈夫です、ユウさん小さいから」
「小さい言うな」
男っぽい匂いと、勇士郎をすっぽり包み込めるほどの大きな逞しい身体に密着されて、自然と身体が昂ってしまう。
いつもは風呂で、ガタイのいい男にちょっとひどいことをされるのを想像して抜いていたが、温人が来てからは、声が漏れるのを怖れてまともに自慰もしていない。ハッキリ言って生殺し状態だ。
温人の息が首筋辺りにかかるたびに、ゾクッと何かいけないものが身体の中心を駆け上がり、腰がズンと重くなる。今更ながらに無謀だったと勇士郎は激しく後悔し始めていた。
「あの…、オ、オレって、そういう人やから、男にこういう風にされると、そ、そういう風になってまうけど、あの、気にせんといてな。あ、でも、イヤやったら離れるし…、」
どうやっても欲望が育つのを抑えられなくて、ほとんどパニックになったみたいに焦って言う。本当に突き放されたら、きっと凄く傷つくのが判っているのに。
「……大丈夫です。俺もおんなじだから」
「え?」
涙目で振り向くと、温人が苦笑していた。
と、思った瞬間に、とても硬くて大きいモノが、勇士郎の太腿辺りに触れる。
「え……、」
「すみません」
温人が苦しげに言うのを聞いて、勇士郎はカアアッと赤くなった。
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