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正面から見ても横から見ても顔が丸っぽく、同じく体も丸っぽいのが特徴。そして耳が短く、目が大きい。大人になっても1キロに満たない個体も多く、大抵が子供のようなあどけない顔をしている。
「ああ、軽く予習してきたんだね。でも半分正解、かな」
「半分?」
「この子は知り合いから譲ってもらったんだ。両親は血統証つきだけど、この子にはない」
「でもネザーの間に生まれたなら、ネザーなんじゃないですか?」
晴はステラをケージに戻して、額と耳の付け根を撫でてから扉を閉めた。名残惜しいのか、ステラは扉の前から動かない。
「ネザーってね、ブリードが難しいんだって。純血のネザー同士からネザーが生まれる確率は4分の2。あとは生まれてすぐ死んじゃったり、先天性の病気を持ってたり、体が弱かったり。あと『成体でも小柄』っていうネザーの遺伝子を持ってなかったりする」
「なるほど。この子も、成体でも小柄という遺伝子を持っていない可能性があるということですね」
「そういうこと!」
晴がケージに手を近付けると、ステラは横網の隙間から鼻を出そうとしていた。
「確か、ホームセンターで見たネザーはもっと鼻が長かったです」
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