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〈3羽〉
〈3羽〉
月曜日――。
週初めの晴朗な朝、真澄は充血した目をカッと見開いていた。
肺がぺしゃんこになりそうなほど、深い深い溜め息をつく。その目の下は、気合いを入れすぎた女子の瞼のように黒ぐろとしていた。
しかも、ベッドではなく床で横になっていたため、首から腰にかけてがズキズキ痛い。
「一睡も、できなかった……」
――それは、昨晩のこと。
晴は予定通り夕方に家を出て、空港に向かった。トイレ掃除とごはんのやり方は直接指導してもらえた。だが初日はあまり触らない方がいいと言われ、真澄は早々に寝ることにした。
そして、ベッドに寝転んで気づいたことがある。
ベッドは、晴の残り香が強すぎた。
とても健康で健全な成人男性真澄は、いけない気持ちを処理するべく、スウェットをずり下げた。横向きになり、体勢を整え――そして、ステラと目があってしまった。
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