〈5羽〉

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 だからステラは寂しいのだ。少しの間留守にすると言ったところで、うさぎに理解できるはずもない。  晴がいつ帰って来るのかわからず、ステラはどうしようもなく不安なのかもしれなかった。小さな頭の中の怯えや心の隙間は、真澄では埋めようがない。 「大丈夫ですよ。あなたは、晴さんに愛されています。……俺はあなたが羨ましいです。だからまあ、あとちょっとの間だけ俺で我慢しておいてくださいね。そのあと、あなたは晴さんを独り占めにできるんですから」  晴に次に会えるのは6日後。時間にして144時間後。分単位にして8640分。  真澄にとっては、たったそれだけだ。1カ月以上顔を合わさないこともあったことを考えれば、次に会える日がわかるだけ良い方だ。そのはずだった。  部屋を見渡せば、晴の物が溢れている。晴の存在を強く身近に感じるほど、彼女自身に焦がれる。五感が晴を探してしまう。 「……なぜ俺が晴さんのために落ち込まなきゃなんないんですかねえ。ああ、なんだか腹が立ってきた」  真澄はスマホで晴へメッセージを綴る。 『あなたのことを考えていたら腹が立ってきました。次会ったとき覚えてなさい』  突然の宣戦布告。  満足した真澄は、その晩はぐっすりと眠った。 〈続〉
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