ハロウィンナイト

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 最初の内は、そこいらであつらえたような衣装を身にまとい、ささやかなパーティーグッズを持っている程度だったのに、現れる子供はどんどんクオリティの高いモンスター仕様になっていく。  しかも、お決まりの言葉の後にお菓子を渡すと、あからさまに不服そうに『イタズラがよかった』とぼやく子までいるのだ。  どうにも様子がおかしいと感じられ、居留守を使おうかと思ったが、不思議なことに、『トリックオアトリート』の一言を聞くと、手が勝手にドアを開けてしまう。 「お菓子かー。残念」  今の子なんて、受け取る物を受け取りながらも、態度はあからさまに不満丸出しだった。しかも帰って行くその足元には、見えている子供の本体とはまるで違う影が落ちている。  確か、イベントは十時までだったが、十二時近いこの時間になっても子供はまだ現れる。そして手渡してやるお菓子を不服そうに握り締めて帰って行く。  あれ、絶対子供じゃないよな。ハロウィンにかこつけて現れたヤバい何かだよな。  ありがたいことにお菓子は本当に大量にあるから、日付が変わるまでなら確実に大丈夫だけれど、これが夜明けまでとなるとかなり厳しい。  うっかりイベントに参加した俺の自業自得感は否めないけれど、あの連中の『イタズラ』は絶対受けたくないので、この禍々しい闇の宴が終わるまで、 お菓子の配り方を考慮して持ち堪える術を考えよう。 ハロウィンナイト…完
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