契約

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契約

金色の光と共に現れた彼は、 相変わらず冷めた表情をしていた。 「なんだ。貴様らは」 霊圧で空気が揺れ、私は震えた。 圧倒的な存在感…無機質な瞳…これがウルキオラ。 けれど、その中で命理はしっかりと 相手を見据えていた。 「私は命理。命を司る者だ。 早速本題に入るが…ウルキオラ。 黒崎一護に倒され、 消滅した事は理解しているな?」 やや間があって、ウルキオラが答えた。 「ああ。理解している。 あの時、俺の再生能力が、 追い付かず、消滅した。」 「なら話は早い。お前にもう一度命を与える。 その代わり、この娘の守護者として守れ」 それを聞いた途端、 ウルキオラが僅かに驚きを見せた。 そして、私に視線を向ける。 「俺が…此奴を?」 ジッと私を見るウルキオラ。 その視線は、自分が守るに値する存在かどうか、 見極めているように見えた。 私は意を決して口を開く。 「あの…私は確かに弱いです。 でも、成し遂げたい事があります。 貴方の力を貸して頂けないでしょうか。 私は、貴方の絶望の姿を知った上で、 申しているのです。」 ウルキオラは目を見開いた。 「俺の…絶望の姿を知っているだと? それでも尚、お前は俺に助けを乞うのか。 俺が…怖くないのか?」 その言葉に、私はじっくりと考えてから、 答えを返した。 「怖くありません。絶望の姿をしていても、 貴方は貴方だから。何も変わらない。」
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