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そんな時に、咲からメールをもらった。
みんなで、に、もちろん和寛が含まれるのはわかっていた。
今まで気持ちを閉じ込めていた意気地なしの私が、和寛に気持ちを伝えるチャンスかもしれない、と思った。
私は和寛にだけでなく、みんなにも本当の自分を見せることはできていなかった。
いつだって周りの空気を読んで発言を控え、自分の思いより場を乱さないことばかり気にしていた。
ちょっときつい言葉を言われても笑顔で受け止め、謝り、逆に気遣いの言葉を向ける。
咲のように、言いたいこともきちんと言えて、彼氏のことを思い切り「好きなんだ」とのろけたり、傷ついたら怒って、悲しかったら泣いて、そんな風になれたらいいなとずっと思っていた。
明るくて、素直で、かわいらしい咲は女性の私から見ても魅力的だった。
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