捕らわれの姫

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ホラー「じゃあ…こっちの服はどう?」 そう言ってホラー女が差し出してきたものは、確かに服だった。だが明らかに普段着ではない。 俺「あのぉ…これは?」 暑くなったのと、視界が悪かったのとで着ぐるみの頭部を脱ぎながら、俺はよくその服を観察した。 ホラー「本当はヨゼフ用に買ってきたんだけど…ヨゼフは気に入らないって言うの…。絶対似合うと思ったのに…。」 俺「あの骸骨♂に?」 ホラー「えぇ…。余っちゃったし…捨てるのは勿体無いでしょ…?」 …何から突っ込もうか。ん~、とりあえず骸骨はしゃべらないだろうがァ!!!! 俺は、自分が蔑ろにされていることには慣れたようだ。そしてホラー女がヨゼフ(骸骨♂)と会話できる可能性は皆無である。 何を考えているのか分からない、このホラー女の屋敷から一刻も早く逃げ出したい、と俺は更に強く思った。
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