どん曇りのある朝のこと・・・

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どん曇りのある朝のこと・・・

よく曇った空のもと。 修羅王丸(しゅらおうまる)お母さんは、式神(しきがみ)三途(さんず)に言いました。 「三途、おばあさんがご病気だそうだから、様子を見てきてもらえるか。 お元気になられたときに召し上がるよう乾物と蒸留酒を持っていっておくれ。」 コクリと三途は頷きます。  三途は、(あるじ)ともども着る衣装がそれはそれは素晴らしく現世でも評判を博し お目見え間もなく多くのファンを獲得していました。 現世でのその袴や甲冑もよく似合ったものです。この村で昨今流行の服きらびやかな和風パーカーと袴がよく似合い、”さんずきん”と呼ばれていたということです。 さんずきんは、別の村に住むおばあさんの所へ向かってすぐに出かけました。 うっそうとした森を抜けておばあさんのところへ向かいます。 森の途中で狼に出会いました。狼は、とても可愛いこの子を食べたくなりました。 さんずきんちゃんはどこへ行くのか、さんずきんちゃんのお家はどこかなどと聞かれて、 ありのままを答えますと狼は言いました。     
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