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「お待たせ致しました。」 ギルバートさんが洗練された動作でケーキを並べる。 真似をしてみたけど、「30点ですね。」と言われたので、色々なマナーも少しずつ習っている。 世界が違えばマナーも違う、知っている方がいいに決まっているからね。 疲れているのか黒髪イケメンさんは椅子にグデッっと座っていたが、ギルバートさんの声でガバッと起き上がる。 「おお、コレコレ!コレが食べたかったんだよ!」 声と同時にスフレケーキにフォークを刺して食べ始めた。 「うん、美味い美味い。」 ガツガツ食べているのだが汚くは無い。 何となく品がある人だ、貴族だったりして。 「お、初めてのケーキだ、・・・リーゴの実を使っているのか、ああ、コレもウマイ。」 この人来たことあったっけ? こんなイケメンなら覚えていそうなんだけど・・・。 何となくデジャブを感じるけど初めてのお客さんだよね。 「ねえ、今日はホットケーキは無いの?」 ケーキを食べ終わって紅茶を飲みながら聞いてくる。 何で知ってる。 蜂蜜が手に入った時だけの特別メニュー。 蜂蜜は高級食材でいつも売ってる訳でも無いのであった時に買うのだが、そんなに大きくも無い瓶1つで銀板1枚もするのだ。 当然ホットケーキの値段も高くなるので、常連さん達しか知らない隠れメニューなのに。 「蜂蜜が残り少ないので1食分でしたら大丈夫ですけど・・・。」 なんか怪しいぞ。 少し警戒しておこうかな。
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