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違う、それは誤解だ。望んでいないわけじゃないと言いたかったのに首筋を撫でられ、オフィーリアは漏れそうになった声を抑えようとして言葉が紡げなくなってしまった。
ゆっくりと近づいてきた美貌の騎士が、自分の首元に顔を埋める。そしてちゅっと吸ってきたかと思いきや舐め上げられて、オフィーリアは堪らず身体を震わせた。
「リア、俺を見て。きみのこの美しい身体に触れて良いのは、その可憐な唇から零れるかわいらしい声を聞いていいのは、この俺だけだ」
少し上擦っている声は、心なしか余裕がないように思われる。
「リア、愛しいリア。安心して、今日は最後まではしないから」
オフィーリアは淑女としての教養を受け、初夜の話だって聞かされた。
でも、子を作る行為がどのようなものなのかまでは教えられておらず、ただ男性の要求を受け入れればよいとだけ言われていたから“最後までしない”と言われてもなんのことだかさっぱりわからない。
初夜の行為で子を作れるとはわかっているものの、実際どうすればできるのかわからないからこそオフィーリアは今、純粋に訊ねてしまった。
「最後まで、ですか……?」
ルークが驚いて目を丸くしたのを見て、ますますオフィーリアはきょとんとしてしまう。
自分が何をいっているのかわかっていないから、何故こんなにも彼が驚いてしまっているのか理解できない。しまいにはおろおろとしてしまい、ふっと彼に笑われてしまった。
「もしかしてリア、どうやったら子供ができるのか知らないの……?」
「その、男性に身を任せていればできるのですよね……?」
自信なさげに言うと、また、ふっと笑われてしまう。
「まあ、確かにそうだけど。そうか、リアは知らないのか」
愛でるように頭を撫でられて、こつんと、ひたいにひたいを当てられた。
すぐそこにある端正な彼の顔はどこか嬉しそうで、つられてオフィーリアも嬉しくなってしまう。
「きみは見た目だけでなく心までも純粋で無垢なんだね。そんなきみを穢したくなるのは、男の性なのかな」
くすくすっと喉を震わせて、ルークに持ち上げられてしまう。ひんやりと、お尻が冷たい。
自分が縁に乗せられているのだと理解した時には彼が自分を押し倒さんとしていて、オフィーリアは挙動不審になってしまった。
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