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全く持ってその意味は理解できないが、恐らく逆だと言いたいのだろう。
俺は足りない血を急遽魔力で補い、持っていた剣を投げ捨ててアスカの肩に手を添える。
「いや、きちあああああ!!」
「このまま殺してやるの!!!」
「待てええええ!!」
投げ捨てた筈のアスカの剣は地面に落ちる事無くアスカの手の中に戻り、次は両手首を切断された。
なんてやつだ……。
先程アスカに近寄る為、弱体化の魔方陣を躰に刻んでしまった俺にはもう殆ど魔力が残っていないというのに!!
まぁ、治癒力はそのままなので放っておいても治るのだが、実に気持ちが悪い為見たくない。
仕方なしに飛んで行った手首を魔力で操り手繰り寄せ、接合魔法でくっつける。
これで魔力枯渇決定! しかし魔王である俺の回復力は常軌を逸している為、直ぐに回復するのだが。
「キモっ!!」
「こ、こらイルミ! 今は喋らん方が!」
「いや、だって今のはキモいでしょ!!」
「あれは我が秘術!! 他にも使い手が存在したとは……」
それに反応したのはアスカでは無くその他三人の方で、俺はアスカ越しに三人に視線を送る。が、それを邪魔するアスカ。
ふむ……嫉妬深い奴だ。
「気にするな、俺はしっかりとお前も見ているぞ」
「煩いの。くたばれ!」
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