謁見

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 アスカの崩れていた身体が元に戻り、その顔に生気を取り戻す。    その瞳は宝石の様にキラキラと輝いており、希望に満ち溢れている。 「がっ学園編突入なの!!」 「我も我もっ!」 「だからあんたは黙ってなさいっ!」 「ハハハ、お前既に卒業済みだろ」  学園編? とはいったい何かは分からんが、其処で楽しいものなのか?  俺は一人頭に疑問符を思い浮かべる。  学園ネレウス。  実際には“海上学園都市ネレウス”と言われているが、あそこに行くにはかなり時間がかかる。  ヴィスタリア大陸を始め、地上界には四つの大陸が存在し、地図で見ると綺麗に四方へと分けられている。  その中心には広大な海洋が広がっており、ネレウスはそんな海のど真ん中に人工的に作られた島なのだ。  俺も昔その計画に携わっていたが、死ぬほど大変だった。  まず海のど真ん中に行くの事態に一苦労。俺一人ならまだしも大量に人材が回されていた為に、転移しても空中で留まる事が出来なかったのだ。  その他にも土台造りや建設等、様々な苦労があったが割愛。  俺は未だ嘗て“学校”という機関に所属したことが無い為、アスカが喜ぶ意味やポンが行きたがる訳がイマイチ分からない。  そんな俺を知ってか知らずか、国王は 「アスベル様、申し訳ありませんが貴方様もアスカと一緒に向かって下され。使い魔になられてしまった今、アスカとの距離を一定に保っておかねば身の危険が生じますゆえ」 「あぁ、構わんが。俺はいったいそこで何をした良いのだ?」 「それに関しましては、向こうに着いてからのお楽しみという事で……」
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