107人が本棚に入れています
本棚に追加
/98ページ
アスカの崩れていた身体が元に戻り、その顔に生気を取り戻す。
その瞳は宝石の様にキラキラと輝いており、希望に満ち溢れている。
「がっ学園編突入なの!!」
「我も我もっ!」
「だからあんたは黙ってなさいっ!」
「ハハハ、お前既に卒業済みだろ」
学園編? とはいったい何かは分からんが、其処で楽しいものなのか?
俺は一人頭に疑問符を思い浮かべる。
学園ネレウス。
実際には“海上学園都市ネレウス”と言われているが、あそこに行くにはかなり時間がかかる。
ヴィスタリア大陸を始め、地上界には四つの大陸が存在し、地図で見ると綺麗に四方へと分けられている。
その中心には広大な海洋が広がっており、ネレウスはそんな海のど真ん中に人工的に作られた島なのだ。
俺も昔その計画に携わっていたが、死ぬほど大変だった。
まず海のど真ん中に行くの事態に一苦労。俺一人ならまだしも大量に人材が回されていた為に、転移しても空中で留まる事が出来なかったのだ。
その他にも土台造りや建設等、様々な苦労があったが割愛。
俺は未だ嘗て“学校”という機関に所属したことが無い為、アスカが喜ぶ意味やポンが行きたがる訳がイマイチ分からない。
そんな俺を知ってか知らずか、国王は
「アスベル様、申し訳ありませんが貴方様もアスカと一緒に向かって下され。使い魔になられてしまった今、アスカとの距離を一定に保っておかねば身の危険が生じますゆえ」
「あぁ、構わんが。俺はいったいそこで何をした良いのだ?」
「それに関しましては、向こうに着いてからのお楽しみという事で……」
最初のコメントを投稿しよう!