1人が本棚に入れています
本棚に追加
この葉が届くなら
私はいつも通りに中学校の帰り道を歩いている。横には”葉月奏ちゃん”という私の大事な親友の女の子がいた。
初めて彼女と会ったのは小学三年生の春の時だった。引っ越したばかりかつ人見知りでクラスのみんなに話をかけることが出来なかった私を見て彼女が私に話しかけてきてくれたのだ。その時の内容は覚えてない。それぐらい当時の私にとって彼女が話しかけてきてくれたことが嬉しかったのだった。
「あれ?なっちゃん、どうしたの?私の顔になにか付いてる?」と不思議そうに彼女は彼女との出会いのことを思い出してた私を見ていた。
「いや、なんでもないよ」と照れながらも私は彼女に伝える。
「あっ、寄っていこうか。いつもの通りに」と彼女は神社を指差して私に聞いてくる。
そこはいつも通っている神社で。黄緑色の葉っぱが空一面に広がっている。太陽が照らされているとその葉っぱが鮮やかで美しかった。だから雨の日以外は私たちはその神社に寄った。そして小銭を出すのだ。
「あっ、小銭ない。お札ならあるけど」
「じゃあ、私のあげる」
「ごめん、明日返すね」
最初のコメントを投稿しよう!