この葉が届くなら

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そこにはそう書かれていた。もしかして私何か悪いこと言ってしまったの……。私はその紙をくしゃりと片手に握りながら全力で階段を駆け上る。途中で息切れしてしまう。 「大事な親友が大変なのに何してるのよ……」と息切れながらも私はその言葉を吐き出す。 私は手すりに手を乗せてバネのようにして上に上がるようにしながら階段を上がって行く。それを階段登る際に何回かやると早く楽に登れると彼女から教えられたことがある。 「おい、走ると転ぶぞー」 ごめんなさい、先生。今だけ許して。 私は心の中でそう思って駆け上がる。 校舎と屋上を境にするクリーム色の鉄製の扉が私の前に現れる。 待って、これどう声をかければいいの? 「ねぇ、もっと大きな声で言って。伝わらないから」 扉用のストッパーによって少し開いた隙間から奏の声が響く。 「君のことが大好きです」 えっ? 私はその声に聞き覚えがあった。私の好きと言った同学年の同じクラスの男子学生だった。 私は怒りながらその場に先ほどの手紙を捨て階段を降りていく。そして一年生の自分たちの教室に向かった。 「おはよう」と周りの子に挨拶を交わし、自分の席に座る。 「あの子、何あんなに怒ってるの?感じ悪っ!!」という声が耳に入ってくる。 塞ぎたい。だから自分の両腕を腕枕にして顔を伏せた。 「あっ、奏さん。おはよう」という声が鳴り響く。     
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