この葉が届くなら

9/12
前へ
/12ページ
次へ
翌日、気に入らないほどの晴天の中で私は彼女の家を訪ねるが誰もいなかった。そのまま学校に行き、教室に向かった。険悪の空気が広がっていた。 「ねぇ、あんたでしょ?あなたが彼女を殺したんでしょ?昨日、あんな態度してたからついあなたがトラックが接近する際に押した。この殺人鬼が」と昨日私のことを批判していた声が聞こえる。 確かに私が殺したと言われると否定はできない。もう、屋上から飛び降りたくなる。そう思って話し終えた直後に私は立ち上がろうとした。しかし後ろから肩を真下に力強く片手で止められる。そこには昨日奏と話してた彼であり、私の好きだった彼だった。 「夏川さんは何もしてない。いや、彼女を険悪させたのは私と葉月さんなんだ。これがその証拠」 そこに紙を私の机の上に広げる。周りに人が集まってきた。そう、昨日握りしめた後に屋上の近くで投げ捨てた紙だ。 「彼女はどうしても俺と夏川さんの恋を応援するために早く来て準備していた。そしてこの紙は夏川さんが来るように仕向けるためだった。俺は屋上で夏川さんに告白するつもりだった。しかし予定よりも夏川さんは早く来てしまったのだろう」     
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加