小さな駅の恋物語

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学力も同じようだった私達は同じ中学校を偶然受験していた。 これを知ったのは入学して一ヶ月後。 寝坊してしまった私はいつもより10分ほど遅い南海電車に乗ることにした。 駅のホームで電車を待っていると 「あれ?冬野?」 名前を呼ばれて振り返るとそこには私の初恋の彼がいた 「っあ…夏目くん…」 彼とろくに会話をしたことがなかったので緊張してどもってしまった 「なんだよー!俺たちの仲だろー!太陽でいいって!」 「わかった…」 「うむ!素直でよろしい!」 彼は太陽という名前がぴったりな明るい人だ 小学校の時から変わらずに… そう思っていたところに電車が来たので、彼に別れを告げようと口を開きかけると 「俺、この電車乗るんだけど。もしかして冬野も?」 「そうだけど…なんでわかったの?」 「だって!その制服うちの学校のじゃん!」 彼は眩しい笑顔でそう言った そうして、同じ電車に乗り、学校まで無事にたどり着けたのだった それから彼を見ることはあったものの、2人とも会釈程度の関係が続いた
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