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「まあまあ、お兄さん。こんな田舎は妖怪退治してさっさと脱出しよう!」
その意見に関しては清明も同意する。
多摩は懐から業の書を取りだしてターゲットとなる妖怪を確認した。
業の書には目標となる妖怪の名前と簡単な説明。それと名前に触れるとターゲットの大雑把な位置が感覚で判る仕組みになっている。
「それにしても、良くそんな分厚い本が懐に収まるなぁ。」
薄手のシャツの胸元から厚い本が出てきたので、ドラえもんのポケットを想像した清明。
「なんか、私の胸元に触れると業の書が皮膚と同化するみたいなのね。」
そう言って多摩は胸元を清明に見せた。
清明には多摩の谷間が丸見えだ。
「見せなくていいから!」
以前に式神の儀式を行って以来、多摩は清明と同化してる感覚が生まれているのだが
それゆえ清明に一糸纏わぬ裸体を見られたとしても、鏡で自分の裸を見るようで恥ずかしさが沸いて来なくなってしまっていた。
とはいっても、例えば清明が多摩のはだかを見て興奮すると、その興奮は多摩も共有するので清明→多摩への一方通行の共有と言える。
何故多摩の感覚が清明に向かわないのかと言うと、清明の操作で多摩が戦った場合は多摩の傷みが清明に移るからである。
さて業の書の調査の結果、近くの農家に強い反応があり
遠くに見える奥羽山脈にもう一体存在するらしい。
奥羽山脈の妖怪はダイダラボッチという妖怪で、山に擬態出来るくらいの巨体に自然を操る妖力は玉藻が直接赴いても退治出来るか判らない大妖怪である。
もう一つのは泥田坊という。
本来は強い妖怪なのだが、最近弱っているとの事で今回のターゲットにしている。
姑息と言われようとも、二人にはそれしか手段が無いのが現実だ
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