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『田畑さん逃げよう!あんな化け物に無茶だよ!』
森本さんの手を取り立ち上がる泥田坊。
ヨロヨロと山神ダイダラボッチに向かって歩いた。
『ワシはこの土地の田んぼの守り人…逃げる訳にはいかんよ。
この土地には思いが詰まっておる…。
のぉ…森本さん。
ワシが消えても、ワシの事を忘れないでくれな。』
そう言って泥田坊は再び巨大化し山神ダイダラボッチに再び挑んだ。
『ねぇ!お兄さん!私イケるよ!』
多摩は清明に操作される気満々だが、多摩を直接戦わせる気は無い。
だが緊急避難として多摩を強化するのはありと考え
清明は取り敢えず狐窓の技法で山神を見た。
左手は狐窓で右手は人指しと中指を真っ直ぐ立て残りの指を握る。
ダイダラボッチ気を見れば以前戦った夢魔と違い圧倒的な存在感だ。
まるで山そのものの大自然の気である。
そんな清明の所作を見た森本さんは驚いた。
『坊主…お前、陰陽師か!』
「そうだよ。そして私が式神の多摩である。
えっへん!」
無意味に偉そうな多摩だが、清明は生まれ変わりだと言うだけで陰陽師としては修行を行っていない。
『かなり昔、私の祖父から聞いた事があるんだ!あの山神を祠に封じ込めた者こそ陰陽師だと。
ちょっとこっちに来てくれ!』
そう言って森本さんは二人の手を引っ張って
村の中にある古びた神社へとやって来た。
そして森本さんは御神体のある扉を開ける。
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