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清明の作戦はお姫様抱っこされた清明が呼吸法を行いつつ、清明を抱えても素早さが落ちない多摩が清明の足となり、その足を地面に引きずり五方星を書き上げるのだ。
しばらくして、多摩は山神だいだらぼっちを覆う様に巨大な五方星を地面に書き上げた。
書き上げる間は山神の攻撃を避けての作業だけに時々清明は振り落とされそうになりながらだが、清明を抱っこしながらでも特に疲れた様子が無いのはさすがである。
「さあ!多摩!さっき俺が教えた通り呪を唱えろ!」
呪文はLINEの解析を理解している清明が唱えたいところなのだが、陣を引いた多摩が発動させないと効果が無い。
なので多摩は意を決した。
一応呪文は教えて貰ってはいるが記憶力の限界なので清明に馬の上で釣竿に吊り下げられた人参よろしく、清明にスマホがみえる様に多摩の目の前に吊るした。
『え…と、《此や此や…天上神地上神…在って在るなり…》この後何だけ?』
(ごちん!)
清明は多摩の頭をシバいた。
「あほう!肝心な所を忘れるな!《急急如律令》だよ!」
清明の言う通りに多摩が《急急如律令!》と言った瞬間。
清明の右手から多摩の丹田に向かって気の本流が陣に向かって流れて行く。
『これは....きつい....』
清明の全身全霊の全てが地面に吸われる感覚だ。
「お兄さ~ん!頑張って~。』
多摩の応援にますます清明の力が抜けた。
だが陣に気が巡ったのを感じた清明は再び多摩にスマホの画面を指した。
『さあ多摩!あのデカ物に九字を切れ!!』
清明を抱っこしたまま、多摩が山神だいだらぼっちに九字を切った。
『臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!』
多摩が九字を切った瞬間、山神だいだらぼっちは五方星に吸い込まれる様にかき消えた…
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