終りのその後…

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 記憶を弄る関係で詳細なレポートを読まされているが、今回の仕事は特に酷い。指示書を読んでいるだけでも何度か吐きそうになった。  実際の作業ではもっと酷い光景を見せられているが。  マークは相変わらず涼しい顔で読んでいた。  記憶を書き込む際にその辻褄合わせも必要なペンシルは、記憶を読んで消せるイレーザーより具体的に指示を渡されているはずなのに、何故あの内容を走り書きを見る様に事も無げな様子でいられるのか?  直接記憶を読めない分、知らない事まで想像しなくてはいけないのに、そのことについて文句を言ったりうんざりした顔をしているのを見た事はほとんどなかった。 (あいつの頭の中は一体どうなってるんだ? 読むだけでも辛いのに……)  その神経がケイはあまり理解できなかった。  でも、ベテランっていうのはそういう事なんだろなとも思った。 「今日で20人終えるから、ちょうど半分ってところだね」 「やっと半分か……あの記憶もうやだ」  ケイは記憶を消す時に見えてしまうターゲットの記憶を思い出してうんざりする。 「その分報酬も良いんだから、良いじゃないか」  スタッフ出入り口に向かいながらマークが飄々と答える。  そしてケイとマークは局内へ。     
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