終りのその後…

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 俺はスケジュールを確認する振りをしながら仕事の情報が載った手帳を捲って関係者と擦れ違わないか慎重に確認しながら歩く。マークも同じく手帳を手に周囲を警戒している。  暫くうろついていると本日1人目のターゲット発見。  トイレから男が出てくるのが見えた。手帳のデータによると、例のタレントに結構近い人物だ。 「ペーパー、一枚目確認。任務遂行に移る……」  マークの言葉に俺は頷くと、男に話しかけた。  なお、ペーパーというのはターゲットの事だ。  ケイが記憶を消す『消しゴム』のイレーザーで、マークが書き換える『鉛筆』。  だからいつからか知らないが、ターゲットは『ペーパー』、つまり『紙』に例えられるようになった。 「すみません、“紫色の楽屋”を探してるんですけど」  ケイが男にそう話しかけると、男の顔色が変え、今出てきたばかりのトイレにケイを引っ張り込んだ。 「お前、その呼び名……どこで聞いた?」  男は人目を確認して小声で脂汗を浮かべながら訊ねてくる。 「さぁて、どこからでしょうね……っ!」  顔を強ばらせ、ケイを壁に追い詰める男をケイは不意に地面に倒して頭を掴む。 「ぐあっ!? 貴様、一体何を……」 「うん、情報通り。お前、その紫部屋の事くだらねぇゴシップ雑誌に売ろうとしてたみたいだな。マーク! 始めるぞ!」     
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