終りのその後…

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 ケイは素早く立ち上がると、トイレの入口に立って作業に邪魔が入らない様に見張りに回る。  すると案の定トイレ利用者がやってきたので、時間稼ぎをする事にした。 「すみません、気分が悪い人が出たみたいで介抱しています。俺今携帯電池切らしちゃってるので救急車が呼べないので、代わりにお願いできますか? それと、救護室の人を呼んできてもらえませんか?」  ケイがそう言うと、トイレに入ってこようとした男は驚いた顔で携帯電話を取り出しながら立ち去っていった。  それから間も無く。 「終わったぞ」  背後でマークの声が聞こえた。  さっき男を一人片付けたので、本日のノルマはあと4人。  ここ最近で20人もの人間を処理しているので、現在局内では体調管理を気を付けるようにという話題があちこちで聞こえる。  そんな中での作業なので人と鉢合わせた時は、時には鉢合わせた人間の記憶も書き換えなくてはいけない。  同じ人間が何十人もの体調不良者に出くわすなんて状況はあまりにもおかしすぎるからだ。  だがこの日も何とかノルマの人数をこなし、ケイとマークは帰路に着いた。 「ああ、疲れた……」  部屋に着くなりマークが黒ずんだ黄色い合皮のソファに倒れこむ。     
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