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「ん? マークの方から音を上げるなんて珍しいな。いつもなら俺の方が先にぶっ潰れるのに」
「若いお前と一緒にするな。消す方もタイトだろうけど、今回は特に情報量多いから、おじさんクタクタなんですよー。それに、どこかの誰かさんが暑いってだけで早く仕事終わらせたいってごねてるからな」
そう言いつつ、マークは着心地悪そうにTシャツを脱いだ。
「そりゃ、失礼しましたー。つか、30前後っておじさん自称するほどか?」
「人間20過ぎたら、5歳位以上離れたらもう親子みたいなものなんだよ。シャワー先に使うよ」
「別に良いよ。つか、俺ハタチ過ぎて久しいのに若い子もないだろ。ところでシャワー先に浴びるの、トレードマークに着替えたいから?」
「当たり前だろう。仕事でもなきゃそんなダサイ服、着たくもない」
マークはそう言って、上半身裸のままシャワー室へ入って行った。
(あのー。その安っぽい服が普段着なんですけど、俺……)
マークの言葉に半笑いになる。
それにしてもマークは本当にあの服に拘るな。
あの拘わり方はファッショナブルと言うより、思い入れの方が強そうだ。
一体、何がマークをあのファッションに固執させるのだろう?
肝心な事は語らないマークのこだわりポイントの事情を想像してみるも、思い付くはずがなかった。
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