終りのその後…

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 こんな仕事をやっているからこそ、俺は俺の記憶を信用していなかったりする。 (あの組織の事だ。俺も何されてるか分ったモンじゃないよ……)  そうそう、最後にマークが俺達の能力には限りがあるって言っていただろ?  実はそうなんだ。  俺達の能力には『限界』――つまり寿命がある。  この能力は使い続ければいずれ終わりが来る、有限の能力だったりする。  だからペース配分を間違えれば能力の寿命を縮めたり、暴走させて相方にまで被害を出してしまったという話もしばしば聞く。  能力の『終り』には『予兆』があるから、予兆を感じたエージェントは組織に申し出る規定にはなっているが、その見極めは個々に任されているようだ。  そして引退したエージェント達はやっと組織から解放されて一般人として暮らす事が出来る様になるらしいけど、今のところ俺にその『予兆』は感じられない。  だからこうやってマークと仕事をしている。  俺の記憶が間違ってなければ、マークは施設を出て直ぐにあてがわれた俺の初めての相棒でもう何年も一緒に活動している。  マークとしては相方は俺で2人目らしい。  イレーザーはペンシルよりも寿命が短いらしいってマークから聞いた事があるけど、本当のところはどうなのだろうか。     
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