終りのその後…

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 繊細な脳と記憶を最初に弄るのは確かにイレーザーだけど、ペンシルも同様に負担がかかってるはずだ。  しかもペンシルは情報を間違い無く書き込まなくてはいけない。消す方も正確さは重要だけど。 (2人目、か。マークの前の相棒は今、どんな生活をしているんだろう? て言うか普通の生活ってどんなんだろう?)  コンビニやスーパーに行った時に働く店員を見ては思う。  加えて相方といえばマークしか知らない俺は時々マークの前の相方が気になるけど、何度マークに前の相方の詳細を聞いても「良い奴だったよ」的な曖昧な返事しか寄越さないので、今はもうどうでもよくなってしまった。  マークは人当たり良さそうに見えて実は突き放した部分があるから、今の俺の事も俺がお払い箱になったらその『良い奴』入りしてしまうんだろうな。  そして俺は迷っている。  この面倒臭い仕事を少しでも長く続けられる様に慎重に行動しようか、さっさと能力を使い切って一般社会に放逐されるように仕向けようか。  でも俺は本当にこの仕事しか知らないし、『世間』でやっていけるのかな?  そういう不安もあるが、気掛かりな事がもう一つ。  この仕事を辞めたらマークとの接点はきっと無くなるのだろう。  それが何となく嫌だった。  インプリンティングとでも言おうか。     
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