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終りのその後…
「あー、あっぢぃ……! もーダメ! クーラー直して!」
扇風機一つ回るだけの蒸し暑い夏の部屋で、白に紫のメッシュを入れた短髪の若い青年が耐え切れず音を上げた。
「そうは言ってもなぁ、ケイ。この仕事が終わるまではこの部屋から退去出来ないし、壊れたクーラーに関しては『入居後の破損だから対応しかねます、どうしても必要なら自費で』って上から言われちゃったから、涼しい部屋で過ごしたかったら今の仕事をさっさと終わらせて次の場所に移るしか無いよ?」
髪を湿らせ、首元から汗まみれのタンクトップの青年をケイと呼んだ男が涼しげにそう言う。
「ギー! って、何でそう言うお前はそんなに平然としてるんだマーク! しかもこんなに苦しんでる俺の前でそんな暑苦しい格好して、視覚からも喧嘩売ってるとしか思えねー! 何でお前はそれで平気なの?!」
「そうは言われても、これは僕のトレードマークだから。必要がない限りはどんな状況でもこの服装を乱すつもりはないよ。これでも薄着してる方だよ? シャツの下は何も着てないし」
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