帰る森はない。

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 だから人間の犯罪者の1人や2人くらい、妖精族の敵では無い……はずなのだがな。 (なのに何故、我々は住処を追われた……やはり人間の方が圧倒的に数が多い。どんなに強くとも物量には勝てなかった。そういう事だった……あ、誤字見つけた)  でも身体の小さい妖精達は逆に食い物にされる事が多い様だ。  魔力供給がまともに出来無いこの世界では、持ち前の術もまともに使えないから。  ふと、喫茶店で働いていたピクシーを思い出した。  ある日、スレイはあのピクシー喫茶に行ってみることにした。  ピクシー喫茶は人間のメイド喫茶みたいなものだ。  あの愛らしい小さな身体が飛び回って身の回りの世話をするのが人間に受けているようで、街に一つはある勢いで最近増えている。 「いらっしゃいませーお一人様ですか? あっエルフの方……このお店で見かけるのは珍しいですー」  出迎えてくれたのは、ちょうどあの日見かけたピクシー少女だった。  シフトが偶然合ったらしい。 「まあな。確かに普通なら入らないが、種は違えど同じ妖精族として応援したくなって来た」  スレイがそう言うと、ピクシー少女は一瞬キョトンとしてから泣きそうな表情になる。だが泣かない様に堪えたようだ。 「……ありがとうございます」     
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