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エルフをはじめとした妖精族が基本的にこの手の店に入らないのは、説明は難しいが美的感覚が違うので必ずしも人間と同じ目線で別種の妖精を愛でる目線で見られないというのもあるが、種族間で仲が悪いとかはあったとしても基本的に妖精の存在に上も下無いというのが通常認識なので、こうやって接待させられてる様子は痛々しくて見ていられないというのが大きい。
それでも今日、スレイはやってきた。
先日の光景がどうしても忘れられなかったのだ。
そして今こうやって声をかけただけでも彼女は泣きそうになった。
その心中や推してしかるべしというところだろう。
「席は、何処に座れば良い?」
「こちらへどうぞ」
フワフワ飛ぶピクシー少女に案内されて日当たりの良い窓際に案内された。
近くには観葉植物も置いてある。きっとエルフであるスレイの好みを察しての案内だろう。
しかし。スレイは一考する。
「ふむ。悪くない席だが、今日はあちらの店奥に座っても良いか?」
そう言って店の奥にある物陰に囲まれた席を指差した。
「えっ、構いませんが……よろしいのですか?」
「構わない。今日は初めてだし、あまり目立つ席は止しておきたい」
「かしこまりました」
そしてスレイは席に座る。
そしてピクシー少女に問う。
「ああ、そうそう……早速だが、この店は指名とかするような店なのか?」
「はい、気になる店員がいらっしゃいましたら雑談する事が可能です」
「では、君を指名しよう。良いか?」
「へ? ええ……もちろん歓迎いたします。ちょっと店長に報告行ってきます」
「よろしく頼む」
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