第1章 思い出す

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 平日の昼、俺は手早くホットサンドを作ると、テレビの電源を入れた。 仕事をクビになった俺は、派遣で食いつなぎつつ、次の職場を探している。 ワイドショーが最新―と言っていいのかは疑問だが―のニュースを伝える。 世相を反映してか物騒なものが多い。俺はその中の一つに、関心を引き付けられた。 「……の民家で見つかった、市立N高校1年の赤月恭子さんの遺体が見つかった事件で…」  犯人は同じ高校のOB。凶器は、民家裏庭に埋められていた果物ナイフ。 俺は刃物が嫌いだ――良からぬ妄想を掻き立てられて仕方がない。 病気、と言っていいのだろう。この症状が始まったのは、小学4年生の夏休みのあの日。
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