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 穴場って言うけれど、どんどん花火の会場から離れていく。どうやら志岐さんは厳島神社のむこう側へ行こうとしているようだ。でもその先には水族館があるくらいしか俺は知らない。  どこまで行くのか訊きたいけれど、あまりの歩くスピードの速さに息が上がってきた。そして右手首をきつく締めつける強い力。花火の賑わいからどんどん離れていく心細さに不安になりながら、俺は仕方なく志岐さんの背中について行くことにした。
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