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黒猫は、声のした方を…後ろを、振り向きます。
「こんにちは、黒猫さん」
黒猫に声を掛けて来たのは、女の子でした。
女の子はそっと、黒猫の側に座ります。
普通の、女の子でした。
普通の、どこにでもいる、可愛らしい女の子。
「私もね、独りぼっちなんだぁ」
どうして?
君は、普通の声をしているのに。
君は、普通の見た目をしているのに。
どうして君は、独りぼっちなの?
「私、普通じゃないんだって」
女の子は、黒猫に笑い掛けます。
「私、動物の言っている事が分かるの」
そうなの?
「そうなの」
女の子は、また笑いました。
「動物の声が聞こえるのなんて、普通じゃないんだって。
だから私は、独りぼっちなの」
…僕も、独りぼっち。
普通じゃないから。
こんなに黒くて、こんなに変な声だから。
「一緒だね」
女の子は、にっこりと笑いました。
…君は。
君は、独りぼっちなのに。
どうして、そんな風に笑えるの?
「だって、とっても素敵な事でしょう?」
どうして?
「動物の声が聞こえるなんて、みんなには出来ない事だもの。
みんなに出来ない事が出来るって、素敵な事だと思うなぁ」
黒猫は、なるほど、確かにと思いました。
「貴方のその鳴き声も可愛らしいし、
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