はたして会長様は悪食なのであろうか

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「大学に入って周りが見えるようになったら、男のしかもこんな不細工な人間と恋人だって事なんぞ、アンタの汚点にしかならないだろうが! そもそも、閉鎖された学園(ここ)だからこそ、男同士の恋愛がまかり通っているって位アンタにもわかってるでしょうに。」 俺が言うと、先輩は俺の胸倉をつかんで吼えた。 「汚点だぁ?何ふざけた事言ってるんだ。 恋人を誰にするか位、自分で選ぶに決まってんだろうが!! 俺が上辺だけで周りを、世の中を見てるんだと思ったら大違いだ!」 それから、胸倉をつかまれて先輩の顔を見上げる俺の顔にそっと唇で触れた。 「好きなんだよ、残念ながら一生飽きてやれそうに無え。だからお前も諦めてさっさと俺の物になれ。」 言っていることはえらそうなのにその瞳は切なそうで、不安に揺れていた。 畜生。 「ああ、アンタも俺も悪食の馬鹿だ。」 その先の言葉は、きつくきつく抱きしめられて言うまでに少し時間がかかってしまった。 了
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