はたして会長様は悪食なのであろうか

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はたして会長様は悪食なのであろうか

1 俺は良く悪食だと言われるが決して悪食という訳ではないと思う。 「なあ、そう思うだろ?」 「は?会長様、何がでしょうか?」 「ここは、空気読んで、『はい、そうですね』って言っておくべきだろうが!!」 つい、突っ込んでしまったが仕方がないと思う。 「だから、俺は別に悪食という訳ではないよな?」 「えっと、それ本気で言ってますか?」 驚愕と共に呆れを含んだ目で俺を見つめてくるそいつに「勿論本気だが?」と返してやった。 「今まで、眼科をお勧めしていましたが、精神科か脳神経外科に一度受診をお勧めしますよ。」 辛辣な事を言ってくるが、そこが可愛い。 俺が、目の前の男、秋月(あきつき)をみて思わず頬がゆるむ。 「そもそも、転校生の次に俺に言いよっているっていう時点で悪食中の悪食でしょうに。」 大きくため息をつきながら秋月に言われた。 「ん?どこがだ。希望(のぞみ)と付き合ったのは、面白そうだったからだし、お前を口説いているのは、お前と居るとすげー落ち着くからだぞ?」 「……もういい。もう何も喋るな。」 手で顔を隠すようにして「やっぱり、こいつ絶対に頭おかしい。」と言いながらしゃがみこむ秋月。 やっぱり、俺は決して悪食ではない。そう結論付けてうんうんとうなずく俺は、その後秋月がとても小さな声で 「……一番、頭がおかしいのは、絆されかけてる俺か。」 と呟いた事に気が付けなかった。
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