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(秋月視点)
俺は俗に言うブサメンというやつだ。
完全に猫背と呼ぶにふさわしい背中と、ニキビだらけの顔、目は一重で鼻も低い。
純粋な顔のパーツという意味でもぼんやりとしたと表現するしかない顔をしている。
その、俺に何故かこの学園の会長様は言いよってきている。
見た目は超絶イケメンで頭脳明晰、運動神経抜群でカリスマ性を持って生徒会を運営しているこの人は何故だか恋愛関係に対しては悪食だった。
半年ほど前にやってきた転校生は嵐のような人で、次々に学園での人気者を落としていった。
結局最終的に会長様とくっついたんだけど、二人はすぐに別れたらしい。
当時は生徒会の親衛隊が荒れに荒れて大変だったんだけど、俺は終始その様子を遠くから眺めているだけだった。
結局のところ、俺のような奴は卒業するまで、蚊帳の外の傍観者でいると信じていたのだ。
だから、この状況が分からない。
初めて、会長様に話しかけられた時は勿論驚きが大きかったが、それよりも何よりも親衛隊が恐ろしかった。
そこで、直ぐに合点がいったのだ。
ああ、この人達は、嫌な奴がいた時にわざわざ自分自身でそいつを攻撃する必要など無いのだと。
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