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すごいだろ?なんて、まるで子どもみたいにはしゃいでいる彼の笑顔から、目が離せなくなってしまう。
相手はナイフや、本物のピストルまで持っていた。
下手をすれば、自分の命が危なかったというのに...。
あぁ、もう...なんて人なのっ!
「...ルイっ!!」
優しく細められたサファイアブルーの瞳に吸い込まれるように、私は身体の奥から湧き起こる愛しさに任せて、彼の首に腕を回して抱きついた。
「遅くなってごめん。約束通り迎えに来たよ、セレナ。」
彼の腕が、私の背中に回されると、いよいよ涙が止まらなくなってしまった。
温かい。
愛を注いでくれる人の腕の中は、こんなにも温かかったなんて、もう随分と忘れていたわ...。
「...いいえ、ルイ...謝るのは...私の方よ。」
そう、謝ることがたくさんある。
数々の乱暴狼藉に耐えた長い年月の中で、あなたの存在だけが私の支えだった。
なのに、私は何度もあなたの事を疑ってしまった。
もう、きっと忘れているに違いない。待っているのは私だけなのだと.....。
何度も、そう疑ってしまった...。
「ルイ...私──」
ルイの長い人差し指が、私の唇をフワリと押さえた。
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