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話さなくていいと、彼は言っている。
話さなくても、全てわかっている。
私が言いたいことの全てを、彼は受け入れてくれている。
彼の優しく揺れるその瞳を見れば、それだけで分かる。
「僕の方こそ、謝らなくてはならないことがたくさんあるよ。」
えっ?...と、私は疑問を瞳で訴えた。
すると、ルイは私の髪のひと房を手に取って、ふんわりとキスをした。
あの日の裏庭で、まだ互いの正体も知らぬままに胸を高鳴らせた、あの時のように。
「僕はこうして、初対面のプラチナブロンドの美しい女性にアプローチしてしまったからね。」
「え?....それって...」
彼の手が、私の頬を包み込む。
「もちろん君のことだよ、セレナ。あの日、この館の庭に飛び込んだ瞬間、僕は一瞬にして恋に落ちた。僕には君というこの手で抱きしめるべき存在がありながら、君だと知らずに恋に落ちた。結果的に君だったとしても、一瞬でも浮気をしそうになった僕を許してくれるかい?」
「...そんなこと...」
愛しさが、止まらない。
「私も同じよ、ルイ。私も、あなたが私がずっと待っていたルイ=ミシェーレだと知らずに、泥棒みたいに飛び込んできた素敵な男性に一目で恋に落ちたわ。それはもう、王子様が現れたのかと思うほどに。」
サファイアブルーの瞳が、大きく見開かれ、そしてまたすぐに、優しい弧を描いた。
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