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「・・・君が、欲しい。」
「.・・・んっ」
ルイの甘い囁きが、私の官能に語りかけてくるようで、じわじわと身体中に熱が広がっていく。
この熱に、飲み込まれてしまいたい。
彼の愛に、溺れてしまいたい。
「・・・わ、私も──」
そう口を開きかけた時、ルイのスーツの内ポケットから、振動音が響いた。
「・・・なんて、間の悪い・・・」
ルイは、ポケットから電話を取り出すと、額に手を付いて、大げさに落胆して見せ、ほんの少し照れ笑いをして通話ボタンを押した。
「もしもし?」
どことなく不機嫌そうに言いながら、スピーカーに切り替えた。
『おいっ!何してる!?あの子は見つかったのか?』
聞き覚えのある、つっけんどんな声が、早口でまくし立てるように話している。
「あぁ、見つかったよ。今とてもいいところだったのに、誰かさんのせいでダメになっちゃったとこ。」
ねっ?と、言わんばかりに笑いかけられると、とてつもなく恥ずかしくなって、慌てて開いた胸元を押さえた。
『バカ言ってんじゃねぇよ。こっちは誰かさんのせいで大変な状況なんだよっ!見つかったんなら今からそっちへ向かう!十分で行く!その間に準備を済ませておけよ!』
相手はそれだけ伝えるとすぐに電話を切った。
「りょーかい。」
通話が終了した電話に小さく呟くと、ルイはすぐにそれを再び内ポケットに収め、もう一度、私を強く抱きしめた。
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