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悔しさを絞り出すような声・・・。
あぁ、確かに彼は早く渡せと言っていた。
「それなのに、ピストルで脅しても君は頑なに拒んだ。もちろん、オモチャのピストルだと気付いてもいないのに。」
「・・・だって・・・あれが無いと、あなたに見付けて貰えないと思ったから・・・」
乾いたはずの涙が、再び私の頬を濡らしていく。
だけど、さっきよりも涙が温かい。
「ありがとう。そうまでして、守ろうとしてくれて嬉しかった。・・・だからこそ、守れなくてごめん。」
悲しさの滲むルイの声に、私は慌てて首を振った。
「そんなことない。確かにお母様のドレスが破られてしまったのはとても悲しかった・・・。だけど、ルイは、いつだって私を守っていてくれた。あなたが居たから、私はこれまで生きてこれた。今だって、絶望に飲まれそうだった私を救ってくれた。・・・こんなに、素敵なドレス・・・きっと、お母様も喜んでる。」
百合子様たちにいじめられる度に、お母様のドレスを抱きしめては泣いていた。
そうやって自分を慰めながら、私はいつもお母様への申し訳なさでいっぱいだった。
もし、お母様が空から私を見ていたら、きっと、心配しているに違いない。
いつまでも私の面影に頼るのは止しなさいと、叱ってはいないだろうかと、いつも心配で、申し訳なかった。
「・・・もう、いい加減、一人で歩かないと。」
ポツリと呟いた私の手を、ルイが優しく包み込む。
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