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「一人じゃない。僕と二人で、だ。」
「あなたと、二人で・・・?」
「そうだ。・・・きっと、それが僕らの運命なんだよ。」
「・・・運命・・・?」
「そうさ。」
ルイは背中を屈めて、お母様のドレスの残骸に埋もれていたシンデレラの絵本を手に取った。
「この本、セレナのお母様が好きだった本だね?」
「知っているの!?」
驚きに任せて身を乗り出すと、ルイが優しく頭を撫でてくれた。
「知っているとも。どうしてセレナのお母様がシンデレラの話が好きだったかも知っているよ。」
「・・・え?」
「君のお母様自身が、まるでシンデレラの様だったからさ。」
お母様が?・・・どういうこと?
お母様はあんなに幸せそうだった。
お母様が、シンデレラのような暮らしを?・・・どうしてそれをルイが知っているの?
「お母様の昔話を聞いたことがある?」
私はふるふると首を振った。
・・・そう言えば、聞いたことがない。
お母様の子供の頃の話も、お爺様やお婆様にも、会ったことがない・・・。
ルイが、私の頭の上に何かを乗せた。
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