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私の足が、黒いオーラを避けるように後ずさった。
なんだろう.....。すごく、怖い.....。
三歩下がったところで、背中を誰かに掴まれた。
「...きゃっ!!」
「あら、危ないじゃない。」
「...優利愛...お姉様...?」
私の肩を掴むお姉様の姿を見て、急に指の先からどんどん冷たくなってきた。
「...どうして.....?」
陽に当たったことがないような白い肌...
白に近いプラチナブロンドの髪...
そして、エメラルドグリーンの目...
それだけじゃない...鼻の形も、輪郭も、薄い唇も...
とにかく、全部.....まるで私みたい...。
「さぁ、これで準備は整ったわね。」
パソコンを折りたたんで、お母様が手を叩きながら立ち上がった。
背後ではまだ、莉理愛お姉様が火にかけているお鍋がカタカタと、蓋を鳴らしている。
「...どういうこと.....?...どういうことですか?...お母様っ!」
「あら?まだお分かりじゃないのかしら?」
お母様はクスクスと笑い声を立てながら、優利愛お姉様の肩に手をかけた。
「さぁ、優利愛、このノロマなトレナールにも分かるように、あなたから説明して差し上げなさいな。」
「はい。お母様。」
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