第四章 偽りのプリンセス

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『リュウ。あの館のことを調べてくれ。きっとあそこにいる子が、僕の探し人に違いない。』 この言葉で締めくくられた会話の主は間違いない...。 瑠依さんの声だ...。 もう一人の男の人の声も、聞き覚えがある。 ぶっきらぼうな物言いは、ディナーを届けてくれた人と重なった。 二人は、間違いなく私のことを話している。 優しかったお手伝いさんのお婆ちゃんも、そのお孫さんも、覚えている。 じゃあ、瑠依さんは何故私を探しているの...? まさか...そんな.....。 「これ、あなたのことでしょ?」 優利愛お姉様の手から落ちたボールペンのようなレコーダーが、コロコロと机の上を転がって、私の前で止まった。 「ねぇ、どうして瑠依様があなたを探しているの?」 莉理愛お姉様が、私の肩を強く掴んだ。 「.....わ...分かりません.....。」 「正直に言った方が身のためよ?...私、知ってるんだから。」 反対の肩に、優利愛お姉様の体重が掛けられる。 身体と一緒に、気持ちが沈んでいく。 お姉様は、一体何を知っているんだろう...。 ギシッと、目の前のソファの軋む音がして顔を上げると、貼り付けた笑顔を歪ませたお母様が立っている。     
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