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「あらぁ...残念。時間切れね。」
ドアの向こうから、三人の高笑いがすると共に、張り替えたばかりの窓ガラスを割って、三つの黒い影が部屋に入り込んできた。
「きゃーっ!!」
身の危険を感じて、咄嗟に身体が縮こまる。
軽い身のこなしに、只者ではない雰囲気を醸し出しているその人影は、お金を貰って人を始末するプロの集団に見えた。
三人は全員男で、二人はまるでアメリカのフットボール選手のように体格がいい男。もう一人は二人よりも細身だけど、背の高い男で、いずれも揃いの黒いスーツと、サングラスで素顔を窺い知ることはできない。
「やっ!やめてっ!!離してっ!!」
私はそのうちの細身の男に後ろから羽交い締めにされた。
身動きが取れないうちに、残りの二人が即席のバリケードを呆気なく片付け、百合子様たちを部屋に入れてしまった。
「お母様やめてっ!こんな乱暴なことしないで!」
百合子様に訴えるけど、彼女の目は私など見ていない。
既に部屋のどこかにある靴を探すのに必死になっている。
「ここにはないわっ!出ていってっ!!」
私は男の隙をついて、ベッドまで駆け寄った。
「ふーん...、そこにあるんだぁ?」
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