第四章 偽りのプリンセス

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「そこのあなた、あなたは私たちの護衛を、残りの二人はその娘がここから出れないように見張っていなさい。あぁ、でもただ見張るだけじゃつまらないでしょう?」 三人のうち、一番屈強そうな男を護衛に指名し、その男に蛇みたいに巻き付くと、またしても、紅い口紅を怪しい笑みに歪ませた。 氷のような視線が、じっとりと部屋の中を見回している。 「あら?なんてこと。」 百合子様は崩れたワインの木箱を積み直した。 「まぁ!偶然にも、ベッドらしいものがあるわぁ!...そんな貧相な娘じゃ、ご褒美にもならないかも知れないけど、好きにしていいわよ。」 背中から、私を羽交い締めにしている男の、息を飲む音が聞こえた。 もう一人の男も、舐めるような視線で私を見ている。 そんな...! いやよっ! 「そんなの、絶対にいやっ!!...お願いっ!離してっ!!」 「お黙りっ!さぁ!その娘を縛り付けなさいっ!!」 「いやっ!いやっ!!」 どんなに叫んでも、もがいても、すでに鼻息を荒くした体格のいい男に担ぎ上げられては、どうすることも出来ず、呆気なくベッドに四肢を拘束されてしまった。 「いや──っ!!離してぇっ!!」 「せっかくのご褒美なんだ、有難く頂戴しないとな。」 男の荒くなった生暖かい鼻息が頬にかかる。 ...気持ち悪い...。 「こんなのいやっ!!」 「あぁ、素晴らしいわ!いい眺めねぇ!!」     
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