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「そこのあなた、あなたは私たちの護衛を、残りの二人はその娘がここから出れないように見張っていなさい。あぁ、でもただ見張るだけじゃつまらないでしょう?」
三人のうち、一番屈強そうな男を護衛に指名し、その男に蛇みたいに巻き付くと、またしても、紅い口紅を怪しい笑みに歪ませた。
氷のような視線が、じっとりと部屋の中を見回している。
「あら?なんてこと。」
百合子様は崩れたワインの木箱を積み直した。
「まぁ!偶然にも、ベッドらしいものがあるわぁ!...そんな貧相な娘じゃ、ご褒美にもならないかも知れないけど、好きにしていいわよ。」
背中から、私を羽交い締めにしている男の、息を飲む音が聞こえた。
もう一人の男も、舐めるような視線で私を見ている。
そんな...!
いやよっ!
「そんなの、絶対にいやっ!!...お願いっ!離してっ!!」
「お黙りっ!さぁ!その娘を縛り付けなさいっ!!」
「いやっ!いやっ!!」
どんなに叫んでも、もがいても、すでに鼻息を荒くした体格のいい男に担ぎ上げられては、どうすることも出来ず、呆気なくベッドに四肢を拘束されてしまった。
「いや──っ!!離してぇっ!!」
「せっかくのご褒美なんだ、有難く頂戴しないとな。」
男の荒くなった生暖かい鼻息が頬にかかる。
...気持ち悪い...。
「こんなのいやっ!!」
「あぁ、素晴らしいわ!いい眺めねぇ!!」
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