第五章 パーティの風景

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「こちらは、私の娘たちですの!」 彼女は得意気に二人の娘を前に出した。 「お招きくださり、ありがとうございます。長女の莉理愛です。」 小柄な娘は、一瞬だけ媚びた笑みをこちらへ向けると、ドレスをふわりと広げながら頭を下げた。 「そして、こちらが...」 更に一歩前に突き出された娘と目が合って、思わず目を逸らしてしまった。 それでも、特に彼女は構う様子もなく、こちらに手を伸ばし、極自然に手を取った。 「お招きくださり、ありがとうございます。妹の、セレナです。」 「...こちらこそ、お越しくださり、ありがとうございます。」 動揺を諭されないように、こちらも頭を軽く下げながら、もう一度彼女の眼を見る。 エメラルドグリーン!! 間違いない!! なのに...この違和感は何だろう.....。
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