交尾

1/3
542人が本棚に入れています
本棚に追加
/167ページ

交尾

 夜の熱が、部屋を満たしている。寝台が軋む音が、永凛の鼓膜を刺激していた。 「ん、も、う、こわれ、る」  自分のものとは思えない、媚びた声が唇から漏れる。はだけた着物が、勃ちあがった性器に触れると、それだけで達しそうになる。どこもかしこも熱くて、じんじんと痺れている。一番熱いのは、男を飲み込んでいる部分。蜜に濡れた後ろの孔を、絶え間なく塞ぐ凶暴なもの。  永凛を犯している男が、熱く囁く。 「やめてほしいのか? そうは見えないが」 「ん、あ」  長い指先が、永凛の乳首をつまんだ。すると、後ろの孔がきゅん、と締まる。こんなところをいじられただけで、たまらなく身体が熱くなるのはなぜだろう。 「淫乱な私の番い」  男は永凛の乳首を捏ねながら、目を細める。 「こんなに勃起させて、舐めてほしいのか?」 「あ、あ……舐め、んな」  薄い胸に、艶やかな髪が降りる。胸の突起を舐めまわされて、永凛は腰を浮かせた。浅黒い肌や鋭い目付きからは、想像もできない艶めいた声が漏れる。 「あ、あ、っ……ん」  永凛の腰を撫でながら、男がささやく。 「貧民街のスリとは思えぬ妖艶さだ」 「う、るせ、あ、あ」     
/167ページ

最初のコメントを投稿しよう!