凌辱

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 こういう目に遭うのは初めてではない。大して美形でもないし、目つきも悪いのに、昔からやたらと男に狙われる。だから永凛は、いつも小汚い格好をしていた。けして誰もそんな気にならないようにと。 「汚いんだろ、触るな」 「いいのか? 慣らさないままで入れたらさすがに痛いと思うが」 「……な、にが」  永凛は、清明が持っているものを見て身体を震わせた。緋と書かれた陶器の破片。陽にきらりと輝いたそれを見て、背筋がぞくりと震えた。 「お、おい」 「舐めろ」  清明は永凛の唇に指先を這わした。噛んでやりたいが、尻には陶器の冷たい感触がする。角が丸いとは言え、もし慣らしもせず、これを突き入れられたら……ただでは済むまい。永凛は喉を鳴らし、清明の指を舐めた。 「なかなか素直だ」  清明は永凛の舌を指でなぞり、口の中をかき回した。 「ん、っ」  息苦しい。喉奥に指を突っ込まれそうで怖い。清明は指を濡らした後、永凛の尻にするりと滑らせた。指先がかすかに後孔に触れ、ゆっくり押しひらく。 「っぐ」 「私は、リンエイさまの番だった。番とはなにかわかるか?」 「し、らない」 「添い遂げる相手だ。身体を繋ぎ、子を成す」  永凛は、先ほどの二人を思い出した。あれが、番い。まぐわっている様子をぼんやり思い浮かべていたら、何かがぐっ、と押し入ってきた。 「っ」  永凛はびくりとして、幹にしがみつく。圧迫感に、永凛は身体を震わせた。清明が囁く。     
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