刻印

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「ここがおまえ……清明さまの部屋?」 「そうだ。おまえは今日から毎晩ここで寝ろ」 「はあ?」  こいつ、人の話を聞いていたのか。 「俺は帰らなきゃならねえんだ」 「別に寝に帰る必要はあるまい」 「あのな、必要とかじゃなく、自分ちに帰りたいって言ってんだよ。わかるか?」 「そうだな。いずれまた」  いずれだと? 永凛が眉をしかめていたら、 「ああ、そうだ。私の愛人たちを紹介しようか」  清明はそう言って、永凛を手招いた。 「こちらだ」
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