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これ以上家の中で話すのは不自然だということで、一旦外に出ることにした。
結里とりんの顔を見た奏音は、再びパニックになったようだった。
「ねえ、メイナちゃん、来ちゃったよ! 事件起こるよ! どうしよう」
メイナの肩をバシバシ叩きながら、小声で叫んでいる。
「落ち着いてください。たまたまかもしれないでしょう?」
メイナがこちらに目配せしてきた。助けろということだろう。
「結里先輩、どうして家に? 住所知らないですよね」
「うーん、勘?」
だめだ。完全に第六感だ。
「じゃあ、りんは?」
「途中で会ったのよ。りんちゃんの力も必要だと思って連れてきたわ」
ちらりと奏音の方を見る。顔は青白く、今にも倒れそうだ。
俺の視線を追って、奏音の姿を確認したりんが、駆け寄っていく。
「奏音ちゃん、大丈夫?」
「だって、事件、わっくんが、みんな、死んじゃう……」
よろけた奏音をメイナが受け止めた。
「え、何? 事件?」
りんはいまいちよく分かっていない様子だ。
「だから、爆発が、昨日、昨日というか、今日、別の世界の」
「しっかりなさい!」
奏音が言いよどんでいると、結里が大声を出した。
メイナが目をぱちくりさせている。
結里に目を向けると、眉が吊り上っており、両手は腰に当てられている。
心なしか、ポニーテールも逆立っているように見える。
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