未来は必然

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「あら? みんな学校は?」  制服姿で家に戻ってくる俺たちを見て、母さんが首を傾げた。 「忘れ物!」 「ふうん。遅刻しないようにね」  俺だけではなく全員が靴を脱いで家の中に上がろうとしているのを、母さんは訝しげに見ていたが、それ以上は突っ込むことはせずにキッチンへと引っ込んだ。  全員で留の部屋の前に立つ。 「おーい、留。いるんだろ? 学校遅刻するぞ」  何度かノックしても反応がない。  ドアノブを回す。すんなり扉が開いた。 「入るぞ」  一応声をかけてみるが反応がない。 「たくさんいるとびっくりするだろうから、俺だけで行く」  ついて来ようとするみんなを右手で制し、ゆっくりと留に近づいた。  留は机に向かって座っている。  机の上には、何か部品のようなものが散らばっている。  もっとよく見ようと一歩近づき、まばたきをした瞬間、部品は全て消えた。  代わりに留の手の中に黒い塊が現れる。
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