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もちろん今までの日々だってこんな調子だった。
ただ、メイナの言う「事件」のことが頭から離れず、ずっと落ち着かない気分だったのだ。
メイナに視線を向ける。
目が合って、メイナが微笑んだ。
あんな表情初めて見た。小さくピースまでしている。
事件を解決できたことが、よっぽど嬉しかったのだろう。
俺の頬が自然と弛んだ。
「おい、土岐と天翔! 俺が話している間にいちゃつくとはいい度胸だな」
いつの間にか、担任にまでカップルだと思われているようだ。
「違います! 私と土岐亘は」
「はいはい、天翔照れなくていいからな」
再び笑いが起こる。メイナが顔を真っ赤にしている。
平和だ。平和になったんだ。
俺は窓を見やった。
真っ青な空に、飛行機が一筋の雲を創っていく。
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